1、水酸化ナトリウム水溶液
別名 苛性ソーダ水溶液
NaOHaq
劇物(水酸化ナトリウムを含有する製剤、5%を越えるもの)
〔性状〕 無色又は灰色の液体でにおいはない。濃度、温度により固化することがある。強い。アルカリ性で腐食性が強い不燃性。
〔措置〕漏えい時極めて腐食性が強いので、作業の際には必ず保護具を着用する。必要があれば漏えいした場所の周辺にはロープを張るなどして人の立入りを禁止する。
(少量) 漏えいした液は多量の水を用いて十分に希釈して洗い流す。
(多量) 漏えいした液は土砂等でその流れを止め、土砂等に吸着させるか、又は安全な場所に導いて多量の水を用いて洗い流す。必要があれば更に中和し、多量の水を用いて洗い流す。この場合、濃厚な廃液が河川等に排出されないよう注意する。
出火時
(周辺火災の場合)速やかに容器を安全な場所に移す。移動不可能の場合は、容器及び周囲に散水して冷却する。
暴露・接触時
人体に対する影響
(吸入した場合) 微粒子やミストを吸入すると鼻、のど、気管支、肺を刺激する。
(皮膚に触れた場合)皮膚が激しく腐食される。
(眼に入った場合)結膜や角膜が激しく侵され、失明する危険性が高い。
救急方法
(吸入した場合) 直ちに患者を毛布等にくるんで安静にさせ、新鮮な空気の場所に移し、できれば酸素吸入をし、速やかに医者の手当てを受ける。
(皮膚に触れた場合)直ちに付着又は接触部を多量の水で十分に洗い流す。汚染された衣服やくつは速やかに脱がせる。速やかに医者の手当てを受ける。
(眼に入った場合)直ちに多量の水で15分以上洗い流し、速やかに医者の手当てを受ける。注意事項
苛性ソーダ水溶液は爆発性でも引火性でもないが、アルミニウム、すず、亜鉛等の金属を腐食して水素ガスを発生し、これが空気と混合して引火爆発することがある。
保護具
保護手袋、保護長ぐつ、保護衣、保護眼鏡。
2、塩素
塩素 chlorine
〔別名〕 クロール
〔組織〕 Cl2
〔性状〕 常温においては窒息性臭気をもつ黄緑色気体。
冷却すると黄色溶液を経て黄白色個体となる。
融点はマイナス100.98度、沸点はマイナス34度である。
水には10度で100ml中0.997g溶ける。
〔毒性〕 粘膜接触により刺激症状を呈し、目、鼻、咽喉および口腔粘膜に障害を与える。
吸入により、窒息感、咽頭および器官支筋の強直をきたし、呼吸困難に陥る。
大量では20〜30秒の吸入でも反射的に声門痙攣をおこし、声門浮腫から呼
吸停止により死亡する。労働安全許容濃度は1.0ppmである。マウスにおける
50%致死量は吸入で1時間に137ppmである。
3、トリハロメタン
トリハロメタン(THT)
一般的にトリハロメタンとは、メタンを構成する4つの水素原子の3つが塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン化合物に置換されたものであるが、水道水や飲料水から頻度が高く検出されるクロロホルム、ブロモジクロロメタン、ジブロクロロメタン及びプロモホルムの4種の化合物を総称し、WHOやわが国でも同様に表現している。水道水のトリハロメタンは、浄水工程中で原水に含まれているフミン質などと消毒剤として用いられている塩素が反応して生成されたものであるが、湖沼水を原水として利用した場合には、植物性プランクトンなどがトハロメタン前駆物質となることも知られている。一般的には、クロロホルムが最も多く生成されるが、地下水を利用している場合や、写真工業、一部の食品工業の排水や海水の影響を受けやすいところでは、含臭素トリハロメタンの生成が多くなることが知られている。これは臭素イオン(Br―)が(1)式のように塩素により酸化されて次亜臭素酸を生成し、トリハロメタン生成反応をするためである。
HOCl+Br― → HOBr+Cl― ・・・・・・(1)
したがって、臭素イオンが多い場合は、生成するトリハロメタンは含臭素トリハロメタンが多くなる。一般的に、飲料水中のトリハロメタンは、過マンガン酸カリウム消費量が多い原水を処理した場合や水温及びph値が高いときに生成量が増加し、塩素の接触時間とともに生成量が増加するため、浄水場の濃度と給水末端部の濃度ではかなり異なることがある。トリハロメタンは遊離残量塩素で生成するが、結合残量塩素ではほとんど生成しない。
〔健康影響〕
トリハロメタンの水質基準は、発がん性を考慮して決められた初めての水質項目である。これは、アメリカ国立がん研究所(NCI)の実験結果から、クロロホルムが発がん性を有することが分かったためである。その要点は次のとおりである。
(1)動物実験で発がん性を有すると証明されたいくつかの有機物が、少量ではあるが飲料水中に多く見られる。
(2)人体に発がん性を有するいくつかの物質が飲料水中にみられる。
(3)わずかな量でも発がん性物質にさらされると何らかの危険が生じるため、それが積み重なると危険性も増大する。